昨日更新したブログ
「インテリアウィンドウ編」に続き
今回は「内装ドア編」です。
長野県飯田市にある国の登録有形文化財
「杵原小学校」(旧山本小学校)に使用されている
建具(ドア)が非常に興味深かったのでご紹介します。
杵原小学校
昨日ご紹介した室内窓は全て木製でした。
木造の校舎であったため、木製のフレームの所謂木製室内窓でした。
同様に、ドアについても全て木製で仕上げられており
そのデザインや作り、納め方なども非常に興味深いものでした。
間口が広いため、中框を入れ強度を上げています。
格子のバランスが面白く、あえてなのか
鏡板部分の框とは巾も位置も外しています。
色合いも深いブラウンになっています。
こちらは外部に面したドアです。
同様のデザインは引き違いにも採用されていました。
色褪せていますが、修復したような跡も複数みられます。
無垢かどうかまでは検証していませんが
こうした木製のドアは修復可能なので、非常に長い年数使用することができます。
木製ならではのメリットといえますね。
アウトセットの納まりです。
よくみると縦枠を伸ばして窓枠に留めています。
無理やりではありますが、当時は考えられた造りだったのでは
ないでしょうか。
ここまでは引き戸です。
平屋造りなので、同フロアに無数の建具があるのですが
このように様々なデザインを組み合わせています。
(もしくはあまり考えていないのかもしれません)
開き戸もありました。
開き戸は圧倒的に少ないのですが、おそらく
当時は金物が高価だったり、入手が難しかったり
施工の手間がかかったり、メンテナンスなどを考慮して
引き戸が主流だったものと思われます。
仕上げの違いからも施工(製造)時期が違うものとも思われます。
精度にも違いがみられます。
よりモダンなデザインとなっていますね。
色合いも木の熟成とマッチしてとても優しい印象を与えてくれます。
建具メーカーの社員らしく、
建具にどうしても目がいってしまうのは職業柄といえます。
こうした古い木造の中にある木製の建具は
長い年月を経てもまだ使用されており、木製がいかに耐久性にすぐれているか
わかっていただけると思います。
自宅ということであればさすがにここまで使い込むということは
ないかとは思いますが、メンテナンスして深い味わいに
していく楽しみもあるように思います。
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建材事業部 外渉課 フセヒロシ